灼熱とレゲエの国・ジャマイカ。雪とは無縁の国のチームが1988年、冬季オリンピック種目「ボブスレー4人乗り」出場を目指しました。その実話をベースに、ディズニーがコメディとヒューマンドラマを盛り込んで描いた映画『クールランニング』 。
24年の歳月を経て、2022年北京オリンピック・ボブスレー4人乗りにジャマイカが出場するとのこと。これにあわせて、2月11日に『金曜ロードショー』放送されます。
ということで、笑い・努力・友情・勝利が詰まった。いまが旬な映画『クールランニング』の魅力について紹介します。
舞台・ジャマイカについて
常夏と太陽、鳴り響くレゲエ、ラスタカラーやアフリカン柄が鮮やかに輝くジャマイカ。平均気温は27~32度と暑く、陸上競技が強い国。一方で、雪なんて見たことがない人が多く、ボブスレーを知らない人も少なくありません。
国の面積は秋田県とのほぼ同じで、人口は約283万人と小さい島国。そんなジャマイカといえばボブマーリーやレゲエのイメージが大きいですが、元々はイギリスの旧植民地で公用語は英語がメイン。名産はラム酒やコーヒー、ジャークチキンなど。陽気な国民性で、実はリゾート地としても有名です。
陽気さなジャマイカスピリッツを描いた本作
原色のフォントと、どこか懐かしさを感じさせる80年代なオープニング。冒頭からエンディングまで、陽気なレゲエソングが作品を盛り上げます。ジャマイカの彼らが、原色カラーのノースリーブやダイダイ柄やアフリカン柄などを着こなしているのも特徴的。80年代終わりらしいタイトなサイズ感も見どころです。
スポ根・ドラマのジャンルでありながら、陽気な性格のキャラクターがジャマイカスピリッツな心地いい笑いを誘う会話劇を繰り広げる。特に主人公の親友がいいキャラで、軽口や皮肉めいた発言の虜になります
ボブスレーってどんなスポーツ?
主人公がたちがオリンピック出場を目指すのは「4人乗りボブスレー」。劇中、ボブスレーについての説明が少ないので簡単に説明します。
ボブスレー(英: Bobsleigh, Bobsled)は、独特な形状と機構を持つ専用のそりに乗って、氷が張ったコースを滑走して、タイムを競う競技で、ウィンタースポーツの一つ。最高速度は130km/h – 140km/hに達し、「氷上のF1」と呼ばれる。
Wikipediaより引用
2人乗りと4人乗りが存在しており、すべての冬季オリンピック(1960年のスコーバレー大会以外)で実施されてきた種目。クラッシュがつきものであり、危険なスポーツとしても知られています。鋼鉄製のソリは非常にシンプルな作りで、前方にハンドル、後方にブレーキのみ。大事なのは、スタートの瞬発力・走力とコースでの操縦力です。4人乗りになると息の合ったスタートと体重移動が必要不可欠になります。
実は日本でも練習場は非常に少なく、決して人気とは言えない競技。そのため、競技人口も少ないです。過去には、ハンマー投げ選手・室伏広治が体力測定の結果の素晴らしさから、ボブスレーに挑戦することに。結果、代表選手を打診されるほどの好記録を残したことがあります(ハンマー投げのため辞退)。
このように、他競技の選手がボブスレー選手に移行・掛け持ちするのは珍しいことではありません。現に今大会でも、ウサインボルトがボブスレー選手に打診されたそうです。
大きなネタバレは無しで、ジャマイカとボブスレーを通して『クールランニング』の魅力を説明してきました。北京オリンピック・ボブスレー4人乗りは2/19(土)が予選、2/20(日)に本戦でメダルの行方を見れます。
北京・ジャマイカボブスレー男子4人乗、結果
https://www.youtube.com/watch?v=qHV-V1hxJbo北京オリンピックのジャマイカチーム・ボブスレー男子4人乗の結果は28位でした。残念ながら最下位でしたが、黒の機体とプーマのジャマイカカラーのユニフォームで3回戦まで見事に完走しました。
彼らが中国の地で刻んだクールランニングは次世代に繋がられていくことでしょう。
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