PUNPEEとRAU DEF、家族みたいな仲の二人

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RAU DEFとPUNPEEMusic
RAU DEFとPUNPEE/RAU DEF - Unbelievaboy feat. Sugbabe [Official Music Video]のスクリーンショットから

シーンの垣根を超え人気を誇るラッパー・PUNPEE。ヒップホップ好きならばご存知のラッパー・RAU DEF

レーベル・SUMMITに共に所属していた時期もあるし、共演・コラボやプロデュースなど、実は親交が深い二人。RAU DEFはインタビューにてPUNPEEへの印象について「家族みたいですね」と答えるほどの関係だ。

PSGの躍進、RAU DEFの1stアルバム『ESCALATE』リリースなど、2009年ごろの僕にとっては二人は間違いなくヒーローだった。

そんな二人はそれぞれ己の道を進み、右往左往や成長を遂げながらも、今だに盟友だ。異なる才能と魅力を持つ二人の絆・関係性はいつどうやって生まれたのか。RAU DEFとPUNPEEについて、綴る。

RAU DEFとPUNPEE

1989年生まれのRAU DEFと1986年生まれのPUNPEE。ラウくんとパンくんと呼び合う関係であり、RAU DEFはカジュアルではあるもの敬語を使っている。そんな二人の出会いは、まだ二人の名が轟く前の時だ。

きっかけは、ZORNによるイベントで18歳のRAU DEFがPUNPEEに話しかけたのが始まり。PUNPEEは「ULTIMATE MC BATTLE 2006 東京大会」優勝、RAU DEFは「BBOY PARK 2009〜UNDER 20 MC BATTLE〜」予選でZORNとの激戦を繰り広げ、少し有名に。

とはいえ、コアだった日本語ラップシーンで有名な程度だった。

このイベント後に、RAU DEFがPUNPEEにメールを送信。「俺、RAU DEFっていう名前でラップやってんだけど……」と舐めた口調だったそう。しかし、実際はRAU DEFの先輩・HISTORICが勝手に送信、もちろんPUNPEEはそんなことを知らず、こいつカマしに来てんなぁと思ったとのこと。

しかし、PUNPEEの弟・SLACK(現名義・5LACK)が、RAU DEFをコンビアルバム『CONCRETE GREEN』でイカしてた奴だと進言。

ここから二人の交友は始まる。その一発目がPSGの楽曲「M.O.S.I」REMIX版への参加。

この曲により、RAU DEFはレーベルから声をかけられた。

RAU DEFの1stアルバム『ESCALATE』

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リリースされたRAU DEFの1stアルバム『ESCALATE』。メインプロデューサーはPUNPEE。若干20歳のRAU DEFが放った、USラップを織り込んだようなオリジナル溢れる異彩っぷりに、ZEEBRAや宇多丸らシーンの大御所たちは手放しに賞賛。

当時、RAU DEFはリリックを書き留めないで、頭の中でリリックを形成して収録に挑んでいたそう。

RAU DEFとZEEBRAのビーフ

2011年にRAU DEFは突如として、ZEEBRAにBEEFを仕掛けた。当時の真相は不明だが、ZEEBRAはRAU DEFの1stアルバム『ESCALATE』褒めてたけど何があったの?とファンを驚かせた。

これに対してZEEBRAもアンサーソング「Die By The Beef」を返したことで、シーンではさらなる話題を集めた。

しかし自由奔放に行動しすぎたRAU DEF、当時所属していたレーベル・SUMMITからこの無責任なBEEFを咎められたこともあり、けじめとしてレーベル・SUMMITを脱退(2012年)。

その後、RAU DEFは共に脱退したQNらとMUTANTANERSを結成するなど、ラッパー活動を継続。しかし、どの現場に行ってもBEEFの件により煙たく扱われてしまっていた。彼はのちに、BEEFの頃から完全に迷走していたと語っている。

RAU DEF IS BACK

彼の1stアルバムは間違いなく傑作だった、しかし徐々にRAU DEFの名前は聞かなくなっていった。それでも、時が経っても彼の曲はどこかフレッシュで病みつきだ。だからこそ、消えてしまったのかと聞くたびに残念に思っていた。

2015年11月にアルバム『ESCALATEⅡ』をリリース。彼は約3年ぶりに、シーンのメインに舞い戻ってきた。

きっかけとなったのは、RAU DEFは地元の先輩でもあるSKY-HIが主催しているレーベル・BULLMOOSEへの加入。『ESCALATEⅡ』を作りたいと直談判したところ、SKY-HIも同じように考えたこともあり、「真面目にやりたいと思っているなら」と受け入れた。

『ESCALATEⅡ』はスーパーバイザーにSKY-HI、アルバムのトータル・プロデュースはPUNPEEが。featには、ZORN、5lack、MARIAが名を連ねた。

「FREEZE!!!」で謝罪したPUNPEE

『ESCALATEⅡ』の収録曲「FREEZE!!!」で別名義・Sugbabeとして参加したPUNPEE。

彼のパートにこんなリリックがある。

あのBEEFのときもBeat使わせたけど 俺の名前は伏せさせた ごめん

そう、RAU DEFを良くも悪くも転換させ、暴走とも思えたZEEBRAへのBEEFソング。あのトラックはPUNPEEによるものだった。

PUNPEEが当時からこの楽曲「FREEZE!!!」を発表するまで、どんな気持ちだったかは分からない。ただリリックを通して公での謝罪は、リスナーに二人の絆を感じさせた。

一方、同曲内でRAU DEFは

だって くだらない過去を思い返しても

このストーリーを楽しむ他ないでしょ

恩に着る 俺を支えてくれるTeam

と名指しにはしてないが、感謝の意を。くだらない過去もBEEFの件かなぁと考えさせる。

何よりも、タイトで刺々しいスタンスが多いRAU DEFが、感謝や幸福が詰め込んだようなバイブスでラップしている。ラッパーの成長ってこれか、僕は人生で初めてそう思った。

PUNPEEの1stアルバムに無理くり参加したRAU DEF

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加山雄三とのコラボ、Red BullのCM曲と知名度と期待度が高まっていたPUNPEE。彼が世に放った1stアルバム『MODERN TIMES』の収録曲「Bitch Planet」に、RAU DEFが参加した。

曲内でも、無理やり参加しているようなセリフがあるが、実際に客演の中で唯一、本人から参加したいと申し出てきたらしい。

「RAU DEFに関しては、このアルバムで唯一あっちから〈絶対入れてくれ!〉って言ってきたんすよ、図々しく(笑)。そんで、〈いや、バランスもあるし〉って言ったものの断れない自分もいて、〈ああ、断れない俺を表現してんのはRAU DEFだな〉みたいに思って。ホントに最後に図々しく来る感じで入ってくれて、やっぱちゃんとした役割をやってくれました」。

上記の動画でPUNPEEが語っている、新幹線内で「俺も大人なので迷惑かけないですよ。疲れてたら寝てください。」の後、クロスワードの答えが分からなくて結局うるさいってエピソード。

まさに二人の関係がわかりやすいかと。さすが、「家族みたいですね」と語る仲だ。 

PUNPEE × RAU DEFの楽曲

ヘッズはこの女性どっかで見たことあると思うだろう。それもそのはず、JP THE WAVYのガールフレンド・Niinaだ。

PUNPEEとRAUDEF、きっとこれからもコラボするだろうし、もっとボクらの心を鷲掴みする名曲を生んでいくだろう。

参考

RAU DEFインタビュー

PUNPEEインタビュー

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